豊後水道往復 2社乗り比べの旅 - 3 九四オレンジフェリー 《おれんじ四国》は想定外の心地よさ 2016年9月18日 八幡浜⇒臼杵 ■八幡浜 “奇跡の15分” 別府9時45分発の宇和島運輸フェリー「あかつき丸」で八幡浜へ到着。これから九四オレンジフェリーでふたたび豊後水道をとって返し、臼杵へ渡る(右図の(3))。 ここまで雨のカーテンの隙間を縫うような航海だったが、到着すると同時にいよいよ本降りとなった。下船タラップからターミナルまでのわずかな距離を進むうちにも雨脚は強まり、通路の天幕からあふれ落ちる水と桟橋をたたく雨しぶきで、一帯は白く煙ったようになった。風はさほどでもないから次の航海に支障はあるまいが、と案じながら臼杵までの乗船券を購入する。 次の臼杵行き「おれんじ四国」の発船は12時45分で、別府からの「あかつき丸」の到着からわずか15分後だ。八幡浜〜臼杵間は2社運行で便数は少なくはないが、明るいうちに再び別府まで戻って大阪行きのさんふらわあに乗ろうとすると、次の14時35分発「おれんじ九州」では遅い。まさか別府から臼杵まで、わざわざ八幡浜を経由して行く(私のような)人のために意図的に接続を組んだとは思えないから、これは奇跡といってもいい。 雨脚は一向に収まらず、タラップの屋根の切れ間を大急ぎで駆け上がって臼杵行きに跳び込む。さっきまで乗っていたあかつき丸に慌しく別れを告げ、“奇跡の15分”があっという間に過ぎた。 「おれんじ四国」。 2918トン・全長119.9mの数字より 大きく感じます 鋭意荷役中。 「ええいっ!」といっております 臼杵行き、別府行きが続けて出航。 ターミナルはそこそこの賑わい おれんじ会員1割引で2080円。 上陸券は付いていたけど 下船時に何もいわれなかった・・・ ターミナル前も 岸壁も 激しい雨になっておりまして ほうほうの体で臼杵行きに乗船 乗船率はちょっとさびしいが こちらも船長の指揮でいよいよ離岸 わずかな八幡浜滞在を終えました こんな船もいました 水産庁の漁業取締船「かちどき」 ■船内設備 《2階の巻》 さっそく船内を探検。往路の「あかつき丸」との比較に興味津々・・・! @ 車両甲板レベルの乗船口から 階段で、メインホールへ A 乗船時間がもう少し長ければ 等級変更してみたいですが・・・ B 関西航路と同様、気合の入った メニューの案内にそそられます C 売店で注文したメニューは 軽食コーナーでいただきます D 後方はドライバーエリア。 仮眠室、シャワー、喫煙室など E−1 洗面所も色調を統一 E−2 白とは違った趣きがあります E−3 もちろん温水洗浄 F バリアフリーの優先席 G 2等船室。 ■船内設備 《3階の巻》 3階にも、特色ある設備がいろいろ。 @ 3階も落ち着いた雰囲気。 天井も高くて圧迫感がありません A 前方には女性・小人専用席が。 B−1 シャワー室も完備! B−2 実際に利用してみました。 短時間の航海でも うれしいサービス! C 後方に進んでみましょう D サロンのような2等いす席 E こちらはシアター式の 2等いす席 F その他、ゲームコーナーや 喫煙ルームなど G−1 屋外デッキに面したペット室 G−2 ケージ各種を用意。 (ガラス窓越しに撮りました) ■名物「フェリーちゃんぽん」の実力 あまり天候もよろしくないので、航海中は主に船内で過ごす。なにしろ九四オレンジフェリーには、この名物「フェリーちゃんぽん」がある。名前は聞いていたが、乗るのが初めてだから食べるのも初めてだ。さっそくいただくことに。 売店でオーダーするとしばらく奥の方でゴソゴソと作る気配が続き、待つほどもなく出来上がる。飲食施設という雰囲気とはちと異なる、オシャレな売店のカウンターから、濃厚な白濁スープの匂いを立てたちゃんぽんがトレイに載って差し出される。洗練された新鋭船内にただよう、こってりちゃんぽんの匂い。この不思議なミスマッチ、しかしこれもまた旅情哉、とひとり納得して、いざ実食。 具沢山にモッチリ太麺の食べ応えで、たかが船内の軽食とはあなどれない本格的な味を堪能するうち、もやった窓外を通り過ぎるいくつかの船影がある。上に載せた運用ダイヤ図の通り、臼杵までの間に3本の対向船とすれ違うのだ。 1本目は、僚船「おれんじ九州」。13時20分ころ対向予定だったが、シャワーを使っているうちに撮り損ねた。 2本目は13時50分頃に宇和島運輸フェリーの「さくら」、3本目は14時50分頃に「おおいた」、と続く。2時間半弱の航海で3本とすれ違うのだから、なかなかに運行密度が高い航路だ。 西から変わる天気に逆行して荒天域を抜け、航海の後半は雨が収まり視界もやや回復した。短距離航路に充実した設備を投入したオレンジフェリーの心意気に感服しつつ臼杵に上陸し、ひなびた小都市の風情を路地裏に感じながら臼杵駅まで歩いて第3レグを終えた。 八幡浜を出て荒涼とした海へ わずか15分ながら 印象深い滞在でした 具沢山のちゃんぽんは、 期待以上の本格派! 食べ応え十分の太麺です 2階窓際の軽食コーナー。 上の2階フロア図の「B」あたり 食べているとやってきました 臼杵からの「さくら」です 窓越しとはいえ 視界がよくありません しずしずと去り行く「さくら」。 けなげな姿ですね 臼杵も近くなった頃、「おおいた」と 今日2度目のすれ違い 「あかつき丸」とすれ違った後、 臼杵から折り返してきたのです ほどなく臼杵に到着 九州に戻ってきました こうして見ると いっちょまえの オレンジフェリーですね 堂々たるものです 出船・入船が一段落したターミナル 「じゃこ天入荷」の張り紙も誇らしげ すでに乗船が始まろうとするころ 歩いて港を後にしました。 また乗りたい船でした (C) KIXLOCAL(Takashi Kishi) all rights reserved, 2016 .
豊後水道往復 2社乗り比べの旅 - 3 九四オレンジフェリー 《おれんじ四国》は想定外の心地よさ 2016年9月18日 八幡浜⇒臼杵
■八幡浜 “奇跡の15分” 別府9時45分発の宇和島運輸フェリー「あかつき丸」で八幡浜へ到着。これから九四オレンジフェリーでふたたび豊後水道をとって返し、臼杵へ渡る(右図の(3))。 ここまで雨のカーテンの隙間を縫うような航海だったが、到着すると同時にいよいよ本降りとなった。下船タラップからターミナルまでのわずかな距離を進むうちにも雨脚は強まり、通路の天幕からあふれ落ちる水と桟橋をたたく雨しぶきで、一帯は白く煙ったようになった。風はさほどでもないから次の航海に支障はあるまいが、と案じながら臼杵までの乗船券を購入する。 次の臼杵行き「おれんじ四国」の発船は12時45分で、別府からの「あかつき丸」の到着からわずか15分後だ。八幡浜〜臼杵間は2社運行で便数は少なくはないが、明るいうちに再び別府まで戻って大阪行きのさんふらわあに乗ろうとすると、次の14時35分発「おれんじ九州」では遅い。まさか別府から臼杵まで、わざわざ八幡浜を経由して行く(私のような)人のために意図的に接続を組んだとは思えないから、これは奇跡といってもいい。 雨脚は一向に収まらず、タラップの屋根の切れ間を大急ぎで駆け上がって臼杵行きに跳び込む。さっきまで乗っていたあかつき丸に慌しく別れを告げ、“奇跡の15分”があっという間に過ぎた。 「おれんじ四国」。 2918トン・全長119.9mの数字より 大きく感じます 鋭意荷役中。 「ええいっ!」といっております 臼杵行き、別府行きが続けて出航。 ターミナルはそこそこの賑わい おれんじ会員1割引で2080円。 上陸券は付いていたけど 下船時に何もいわれなかった・・・ ターミナル前も 岸壁も 激しい雨になっておりまして ほうほうの体で臼杵行きに乗船 乗船率はちょっとさびしいが こちらも船長の指揮でいよいよ離岸 わずかな八幡浜滞在を終えました こんな船もいました 水産庁の漁業取締船「かちどき」
■八幡浜 “奇跡の15分” 別府9時45分発の宇和島運輸フェリー「あかつき丸」で八幡浜へ到着。これから九四オレンジフェリーでふたたび豊後水道をとって返し、臼杵へ渡る(右図の(3))。 ここまで雨のカーテンの隙間を縫うような航海だったが、到着すると同時にいよいよ本降りとなった。下船タラップからターミナルまでのわずかな距離を進むうちにも雨脚は強まり、通路の天幕からあふれ落ちる水と桟橋をたたく雨しぶきで、一帯は白く煙ったようになった。風はさほどでもないから次の航海に支障はあるまいが、と案じながら臼杵までの乗船券を購入する。
■船内設備 《2階の巻》 さっそく船内を探検。往路の「あかつき丸」との比較に興味津々・・・!
■船内設備 《3階の巻》 3階にも、特色ある設備がいろいろ。
■名物「フェリーちゃんぽん」の実力 あまり天候もよろしくないので、航海中は主に船内で過ごす。なにしろ九四オレンジフェリーには、この名物「フェリーちゃんぽん」がある。名前は聞いていたが、乗るのが初めてだから食べるのも初めてだ。さっそくいただくことに。 売店でオーダーするとしばらく奥の方でゴソゴソと作る気配が続き、待つほどもなく出来上がる。飲食施設という雰囲気とはちと異なる、オシャレな売店のカウンターから、濃厚な白濁スープの匂いを立てたちゃんぽんがトレイに載って差し出される。洗練された新鋭船内にただよう、こってりちゃんぽんの匂い。この不思議なミスマッチ、しかしこれもまた旅情哉、とひとり納得して、いざ実食。 具沢山にモッチリ太麺の食べ応えで、たかが船内の軽食とはあなどれない本格的な味を堪能するうち、もやった窓外を通り過ぎるいくつかの船影がある。上に載せた運用ダイヤ図の通り、臼杵までの間に3本の対向船とすれ違うのだ。 1本目は、僚船「おれんじ九州」。13時20分ころ対向予定だったが、シャワーを使っているうちに撮り損ねた。 2本目は13時50分頃に宇和島運輸フェリーの「さくら」、3本目は14時50分頃に「おおいた」、と続く。2時間半弱の航海で3本とすれ違うのだから、なかなかに運行密度が高い航路だ。 西から変わる天気に逆行して荒天域を抜け、航海の後半は雨が収まり視界もやや回復した。短距離航路に充実した設備を投入したオレンジフェリーの心意気に感服しつつ臼杵に上陸し、ひなびた小都市の風情を路地裏に感じながら臼杵駅まで歩いて第3レグを終えた。
kakko